クレ・ド・ポーボーテのヴォワールコレクチュールは、美容通の方も愛用するほどの人気化粧下地です。
ファンの方たちに「ポー様」とまで言わしめる資生堂最高級ラインブランドのクレ・ド・ポーボーテ。良いブランドなのだろうな…とは思いつつ、いきなり購入するには値段が高く敷居が高く感じてしまうのも正直なところです。
30代脂性肌寄りの混合肌ライターが実際にヴォワールコレクチュールを使用し、肌の仕上がりや前後化粧品との相性を丁寧に解説、検証レビューします。
※この記事での「トーンアップ」とは、メーキャップ効果によるものです。
憧れのヴォワールコレクチュールは、落ち着いたシックなデザインが魅力的です。
チューブ部分の濃紺色に相反した多角形の金色の蓋がドレッシーです。収納や持ち運びにも困らない、ほど良いサイズです。
※パッケージはリニューアル前のものです
蓋の開け閉めはとてもしやすく、出したい分量も調節しやすいです。容器が閉まったことも手の感覚にしっかりと伝わります。
化粧下地を手に出してみるとテクスチャーは艶やかで、色はピンクがかったライトベージュです。
手を鼻の近くに添えると、下地から白ワインとローズがイメージされた上品な香りがほのかに広がります。
この香りは塗布している時や、塗布後に気になる程の香りの強さではなく、自分だけがひっそりと楽しむことの出来る香りです。白ワインの香りは、蜂蜜のようなフレーバーもあり、重さと爽やかさが絶妙に絡み合った香りです。
スキンケアを終えた肌にヴォワールコレクチュールを塗布します。顔の中心から外側に指を使って優しくのばしていくと、するすると指通り良く伸びていきます。
強い力を必要としないので、肌に余計な摩擦がかかりません。
ヴォワールコレクチュールの肌へのメイクアップ効果はかなり高く、ナチュラルな仕上がりというよりは、明るい肌の印象に仕上がります。
口コミを調べてみたところ、ヴォワールコレクチュールの使用でトーンアップし過ぎるとの声が多数ありました。明るくなりすぎて白浮きしてしまうという方は、全顔に使用せずに顔の中心からトーンアップさせたい部分のみ塗り広げると、ほどよい仕上がりになりますよ。
私は全顔に塗布した上にトーンアップさせたい部分に重ね塗りする方法が一番好ましいですが、今回は条件を変えて3種類の使い分けを実際にしてみました。
使い分けの条件は以下の3つです。
まずは、ヴォワールコレクチュールを使う前、スキンケアを終えただけの素の状態がこちらです。
顔全体にスキンケアを施しました。
頬、鼻と口の周りはこのような状態です。
脂性肌寄りの私は頬回りを中心に毛穴の開きがあることが肌悩みで、顔も赤みを帯びることが多いです。
この素顔に、ヴォワールコレクチュールを重ねていきます。
まずは、トーンアップさせたい部分にヴォワールコレクチュールを塗布する方法を試します。
スキンケア後の全顔に透明の日焼け止めを塗布してからヴォワールコレクチュールを使用します。
トーンアップさせたい目の下と、目の周りのCゾーンを中心に塗布しました。
顔全体を見ても、ナチュラルなメイクに仕上がっていると感じました。
部分使用を試しましたが、私の場合は使用前とそこまではっきりとした変化を感じることが出来ませんでした。ナチュラルに仕上げたいという方には向いています。
毛穴の凹凸カバー※に関しては、一度塗るのみで肌をフラットな状態に見せてくれます。不快に感じる毛穴落ちはなく、毛穴に詰まっていくような感覚もありませんでした。
ベーシックに全顔に一度塗布しても、私の肌色の場合は白浮きした感じにはなりません。全顔に一度塗布することで、毛穴の開きや顔の赤みが程よくカバーされたという感じです。
プラスアルファとして、目の下の逆三角形ゾーンにもう一息トーンアップ効果が欲しいと思いました。
全顔に一度塗布した後、目の下の逆三角形ゾーンにポイント使用しました。私の場合はここで満足のいくトーンアップ効果が得られました。
肌なじみが良いので部分的に白くなったというよりは自然と内側から明るくなったように見せることが出来ます。重ねることによる色ムラや、モロモロが出ることもありません。
化粧下地のピンクベージュが生かされて、トーンアップしつつ程良い血色感をプラスしてくれました。
セミマットなので艶感には物足りなさがありますが、わずかに感じられる艶は繊細で美しく、満足のいく毛穴カバー、トーンアップ効果を鑑みると好ましい仕上がりになりました。
実際に使用してみて感じた、使用感や潤いについてまとめます。
今まで化粧下地は艶に重きを置いてアイテムを選択していましたが、こちらのヴォワールコレクチュールはセミマットな仕上がりで、艶を求める私には物足りなさを感じました。
ヴォワールコレクチュールの控えめな艶感は上品で端正な仕上がりになる為、オフィスワークはもちろん冠婚葬祭や子どもの入学式、卒業式等のオケージョンスタイルに最適です。
艶好きの私でも、ここぞという時のために持っておいて損は無さそうだと思いました。
薄いシルクの布を一枚纏ったようなヴェールがかった上質な肌を演出してくれます。奥ゆかしく、上品でふんわりとした肌触りはフェミニンな印象も与えます。
肌全体を手のひらで優しく包んでみるとふんわり、しっとりとしており、独自のエモリエント効果を実感できます。手を放すときや、全顔の感覚として嫌なべたつきは感じません。
少し時間を置くとさらりとした触感になりますが、潤い感は保っているので保湿効果の高い化粧下地です。
脂性肌寄りで混合肌の私も、べたつかず快適に使用することが出来ました。
ヴォワールコレクチュールはSPF20・PA++です。日常生活において主に室内で過ごす場合は十分なUV効果があるといえます。
炎天下でのレジャーやマリンスポーツはもちろんのこと、一日中屋外で過ごされる場合は心許ない数値です。
SPF数値、PAの強さに関わらず紫外線対策はこまめに塗りなおすことを基本に、心配のある方は透明仕上がりの日焼け止めクリームをヴォワールコレクチュールの下に塗っておくことをおすすめします。
以前、外出先でヴォワールコレクチュールが塗りムラなっていたことがあり、焦って指で伸ばして馴染ませようと試みましたが、化粧下地としてのフィックス力をしっかり兼ね備えていたため、なかなか塗りムラが消えずに苦労しました。
塗りムラとなってしまった原因は事前のスキンケアがしっかり馴染んでいないままヴォワールコレクチュールを塗布したことによるものでした。
私は脂性肌寄りの混合肌ですが、スキンケアは保湿を重視しているので、洗顔後に導入美容液、化粧水、美容液、クリームまで済ませてから化粧下地を塗布していました。
今回は工程を減らすことはせずにクリームまで塗布した後2、3分置いて、ハンドプレスをして馴染み具合を確認し、余分に思える油分をティッシュオフしました。
脂性肌寄りの方でも油とり紙やティッシュオフに抵抗がある場合は、モイストタイプのティッシュを使用して、ミスト化粧水をティッシュに軽くひと吹きしてから優しくオフすると、必要な油分まで奪うことなくマイルドにティッシュオフ出来ます。
そうすることでヴォワールコレクチュールを使用しても塗りムラが出来なかったのはもちろんですが、メイクがより丁寧に美しく仕上がりました。スキンケアのひと手間の大切さを実感しました。
ヴォワールコレクチュールを使用した場合、どんなタイプのファンデーションが相性がいいのかを検証してみます。
今回はパウダーファンデーションと、クリームファンデで比較しました。
ヴォワールコレクチュールの使用後に、クレ・ド・ポーボーテのパウダーファンデーション、タンプードルエクラをパンソーという刷毛を使用して重ねました。
化粧下地の時点で艶が悪目立ちせずに、奥ゆかしい印象を与えますので、パウダーファンデーションとの相性はまさに「鬼に金棒」といったところで、多くの方から好印象を持たれる、上品な肌に仕上がります。
▲ヴォワールコレクチュールにパウダーファンデーションを重ねたメイクです。
▲ヴォワールコレクチュールにクリームファンデーションを重ねたメイクです。
ヴォワールコレクチュールを全顔に一度塗った後クレ・ド・ポーボーテのクリームファンデーション、ル・フォンドゥタンを手で重ねました。
艶感の物足りない方や抜け感を演出したい方はリキッドやクリームファンデーションを重ねるのがおすすめです。モロモロが出ずに問題なく重ねることが出来ます。
メイクアップによるトーンアップ効果やエモリエント効果が高いにも関わらず、厚化粧した感じを与えずに丁寧にメイクを施したナチュラル肌に仕上がります。感度の高い女性の方から好感を持たれそうな印象です。
ヴォワールコレクチュールを使用した後のメイクはとてもよくもちます。
脂性肌寄りの混合肌である私の場合は皮脂による化粧崩れがおきやすいですが、この下地を使用した時はべたつきがなくフェイスラインなど乾燥に傾きやすい部分がパウダーによってぱさつくような感覚もありませんでした。
とはいえ時間がたつと少し崩れてはくるのですが、崩れ方はパウダーファンデーションの色全体がぼんやりと浮いてくる感じです。
優しくハンドプレスをして再度密着させ、コンシーラー等で整えパウダーファンデーションを刷毛で重ね直すとナチュラルにお直しが出来ます。
こちらもメイクはとてもよくもちます。クリームファンデーションを使用した場合は艶の仕上がりが大変心地よかったこともあり、プレストパウダーをせずに外出することもありました。
4時間後には皮脂によるてかりが出ましたが、ここで初めてプレストパウダーを登場させ、満足のいくリセットが出来ました。
崩れ方は皮脂とクリームファンデーションが自然に馴染んでいる感じで、化粧崩れをした際の見た目の不自然さがありません。
ヴォワールコレクチュールを使用した時に感じたメリットとデメリットを紹介します。
ヴォワールコレクチュールを使用してまず感じたのが塗り心地の良さと節度のある上品な香りによる癒しでした。
艶コスメ好き、保湿ケア好きの私には艶が控えめで、塗りムラが起きやすいという、問題点がありました。
はじめは物足りなさを感じた艶感でしたが、肌の仕上がりや継続する美しさを確認するにつれ「この艶感、あり」と新しい発見になり、今はこの艶感がとても好ましく感じられます。
塗りムラもスキンケアのひと手間で解決することが出来ましたが、スキンケアの時間がかかってしまうので、朝のメイクを時短したい人には不向きです。
私の肌悩みである毛穴は満足にカバーし、脂性肌寄りの混合肌でもべたつきを気にすることなく快適に使用出来ました。
毎日使用したい仕上がりですが、商品が5,940円(税込)と少し高めなので、気軽に使える価格帯でない点はデメリットといえます。
ヴォワールコレクチュールには「スキンイルミネイター配合」と記載されています。
希少な繭から抽出した「加水分解シルク」や、国産真珠由来の「加水分解コンキオリン」、テアニン、トウキエキス、シソエキス等9つの成分がクレ・ド・ポーボーテ独自の整肌、保湿成分であり、総称してスキンイルミネイターとしています。
クレ・ド・ポーボーテから販売している他2種類の化粧下地の中でも保湿に特化しているのがヴォワールコレクチュールです。
スキンイルミネイター | 加水分解シルク、加水分解コンキオリン、テアニン、トウキエキス、シソエキス、グリシン、グリセリン、PEG/PEG-14/7ジメチルエーテル、トレハロース |
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整肌成分 | ジメチコン、BG、グリセリン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、エリスリトール、キシリトール、イザヨイバラエキス、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、加水分解コンキオリン、加水分解シルク、トコフェロール |
エモリエント成分 | イソヘキサデカン、エチルヘキサン酸セチル、ネオペンタン酸イソデシル、イザヨイバラエキス |
これらの成分はクレ・ド・ポーボーテのスキンケア製品にも配合されているため、ヴォワールコレクチュールは化粧下地でありながら、クレ・ド・ポーボーテのスキンケアアイテムを使用している心持ちになれます。
公式オンラインブティックやウェブサイトで購入することも可能ですが、今回私は百貨店の実店舗にて5,940円(税込)で購入しました。
店頭で購入したので、2020年3月21日にリニューアルされるヴォワールコレクチュールの化粧下地のサンプルや、気になっていた商品サンプルも一緒にいただくことができました。
資生堂ブランドの最高級ラインであるクレ・ド・ポーボーテの化粧下地ヴォワールコレクチュールは、美容クリームを塗っているような極上の塗り心地でした。上品で端正なセミマット肌の仕上がりは価格に見合うだけの高い満足感があります。
控えめな艶なので好みが分かれることや、時短メイクにはあまり向いていないという点があるので、自分に合うか迷っているなら店頭でお試ししてからの購入がよさそうです。
エモリエント効果が高いのにべたつかないので脂性肌寄りの方も心地よく使用出来ます。
艶肌ばかりではいられない、TPOに応じた装いを求められる機会が多い大人の女性に大変おすすめです。