顔の部分によって普通肌、脂性肌、乾燥肌、インナードライ肌が混在している肌が混合肌ですが、中でも、Tゾーンや小鼻は油っぽく、ほほや目の周りは乾燥している混合肌さんはスキンケアの方法がむずかしくなります。
この記事では、特にケアがむずかしい「油っぽい肌質」と「乾燥しやすい肌質」をあわせ持った混合肌さんに適したスキンケア方法や、クレンジングから洗顔、化粧水、乳液などの選び方、使い方のコツについて紹介します。
油っぽさと乾燥の2種類の肌質が混在しているから、脂性肌のケアと乾燥肌のケアをすればよいと考えがちですが、油っぽい部分が必ずしも脂性肌とは限りません。油っぽさの原因には油分、水分ともに多く含まれる脂性肌と油分は多く水分が少ないインナードライ肌の2パターンが考えられます。
つまり下記のどちらかになります。
脂性肌とインナードライ肌の2つは表面的な肌の状態はどちらも油っぽくテカリやすい肌ですが、肌内部の水分量が異なるため、どちらを含んだ混合肌なのかによって必要なケアも異なります。
混合肌さんの油っぽい肌質部分が脂性肌なのかインナードライ肌なのかを見分けるには、洗顔後何もつけない状態で10分放置し、普段油っぽく感じる部分を手で触ってみます。この時、はじめはしっとりしているのに徐々に油っぽくなってきたら脂性肌、はじめはつっぱる感じがあって徐々に油っぽくなってきたらインナードライ肌です。
脂性肌を含む混合肌さんの場合はムダな油分をしっかり落とせるさっぱり系のスキンケアを、インナードライ肌を含む混合肌さんの場合は油分を抑えつつ保湿も重視したスキンケアを行う必要があります。
混合している肌質に合わせてスキンケアは異なりますが、肌質に合わせてケア方法を変えたり、両方の肌質に合ったアイテムを選ぶことで、いくつも基礎化粧品をそろえる必要はなくなります。
クレンジングは大きく3つの種類に分けることができます。
混合肌の人は、まずは洗浄力が弱すぎず強すぎないクリームタイプのクレンジングを使用してみましょう。 特に肌にトラブルが見られない場合はそのままクリームタイプを使用していきましょう。
クリームタイプのクレンジングを使用して、メイクや油っぽさがきちんと落ちているか、肌トラブルになることはないか、乾燥が進んでしまうことはないか、などをチェックし、肌の変化に合わせて以下のクレンジングへ変更しましょう。
状態が悪い方の肌質に合わせてクレンジングを調整してあげましょう。
混合肌さんには、泡で出てくる洗顔フォームか、クリーム状の洗顔フォームを使用しましょう。
固形石鹸や、洗顔パウダーは洗浄力が強いため乾燥部分をよりカサカサにしてしまうので避けてください。洗顔後は、ぬるま湯で洗い残しのないよう30秒程度かけて十分に洗い流します。ここで洗い残しがあると、油っぽい部分にニキビができる原因となります。
基本は顔全体を泡で優しく洗っていきますが、乾燥がひどい時はTゾーンやこめかみ、あご回りなど油っぽくなりやすい部分のみ泡をつけて洗い、乾燥している部分はぬるま湯で洗い流す程度にとどめれば、乾燥を防ぎながら、余分な皮脂を取り除くことができます。
混合肌さんは、油っぽくなりやすい部分と乾燥しやすい部分で化粧水のつけ方を変えれば、どちらの肌質にも合わせたケアを行うことができます。
油っぽくなりやすい部分には化粧水に書かれている適量を使用し、乾燥が気になる部分には何度か重ね付けをしましょう。
化粧水は使用方法を変えることで混合肌さんでも1種類でケアすることができます。選ぶ化粧水は、より気になっている肌質に合わせたり、テクスチャの好みで選んで問題ありません。
混合肌さんはベタつきが気になって化粧水だけでスキンケアを終わらせてしまう方が多いですが、どんな肌質の人でも乳液を使用した保湿はスキンケアの大切なプロセスです。
混合肌で乳液のベタッとするテクスチャが苦手な人は、べたつかないオイルフリーの乳液を選ぶと、さらっとした仕上がりでありつつ保湿も行うことができます。
美容液は必ず使用しなくてはならないものではなく、あくまでプラスワンアイテムと考えてください。
混合肌さんが美容液を使用する場合、油っぽさが気になる部分には油分の多い美容液の使用を避けてください。保湿力を高めた美容液にはオイルなどが含まれていることがありますが、混合肌さんの皮脂が多い部分に使用してしまうと油分が多くなりすぎて肌トラブルを招いてしまう可能性があります。
乾燥肌部分にオイル配合の美容液を使用する場合は、油っぽさが気になっている部分へは避けて使用しましょう。
混合肌さんはジェルタイプのフェイスクリームを使用しましょう。
油っぽくなりやすい部分に、こってりとしたクリームを使用すると、ベタつきや肌トラブルが不安になるので、クリームは使わないという混合肌さんもいますが、ジェルタイプのフェイスクリームであれば、ベタつきを抑えて使用することができます。
クリームは化粧水、乳液のスキンケアで肌にプラスした潤いと栄養を守る役目をしてくれるので、混合肌を含む、どんな肌質の方でも必ず取り入れた方が良いスキンケアです。
混合肌の朝のスキンケアで気を付けておきたいのは洗顔です。朝は就寝中に分泌された皮脂をしっかりと落としてから化粧をしないと、メイク崩れを起こしやすくなります。
ベタつきが気になる部分には泡立てた洗顔フォームをつけ、乾燥している部分はお湯のみで洗うことで、乾燥を防ぎつつ、余計な皮脂を落とすことができます。
基本のスキンケアを終えて就寝前にすでにテカリが気になるという混合肌さんは、ベタつく部分にティッシュを軽くあてて油分をティッシュオフしましょう。
さらにミスト化粧水をつけて手のひらでプッシュしておくことで、就寝中の皮脂バランスを整えることができます。
外出中に油っぽさが気になった混合肌さんは 、軽くあぶらとり紙やティッシュで油分を抑えた後、メイクの上から使えるミストタイプの化粧水を吹きかけることで、余分な皮脂をとりのぞきつつ保湿を行うことができます。
エアコンの中に長時間いると乾燥している部分のかさつきが気になりますが、持ち運びができるミストタイプの化粧水を直接顔に吹きかけることで、どこでも保湿をすることができます。さらに化粧水を吹き付けた後に手の平で優しくおさえこむようにすると保湿効果をアップさせることができます。
混合肌さんは外出先でのテカリが気になって頻繁にあぶらとり紙を使用する人がいますが、あぶらとり紙の乱用は避けてください。
皮脂が気になる部分に、あぶらとり紙を頻繁に使用することで、肌に必要な油分まで取り除いてしまい乾燥状態になってしまいます。
混合肌の油っぽい部分が、脂性肌の人はインナードライ肌に移行してしまい、インナードライ肌の人はより水分の不足した状態になってしまいます。
大人ニキビ向けのスキンケアで対策をしましょう
ニキビ予防のためのスキンケア方法には2種類あり、思春期向けの皮脂を取り除く方法と、大人ニキビ向けの保湿を重視した方法があります。
混合肌さんがニキビ予防に効果のある基礎化粧品でケアして、肌が乾燥してしまったという場合、思春期ニキビ向けの基礎化粧品を使用している可能性があります。
混合肌さんが思春期ニキビ向けの基礎化粧品を使用してしまうと、乾燥肌部分の皮脂まで取り除いてしまい、かさつきを悪化させてしまいます。ニキビの対策もしつつ、保湿もできる大人ニキビ向けの薬用スキンケアを選びましょう。
余分な角質や毛穴汚れを落としてくれる酵素洗顔でケアしてみましょう
酵素洗顔は洗浄力が強いというイメージがありますが、現在は保湿成分が配合された酵素洗顔があるので、毛穴のつまりが気になる部分だけでなく、乾燥肌部分も一緒に洗って問題ありません。
朝晩使用できる酵素洗顔が販売されているので活用しましょう。
優しく洗い流すケア方法がおすすめです
毛穴の黒ずみや角栓詰まりのケア方法として、ホットタオルを当てて毛穴を開いてから、黒ずみ毛穴向けのクレンジングを使って優しく洗い落とすというやり方が挙げられます。
ただし混合肌の人が黒ずみ毛穴向けのクレンジングを使用する場合、肌の乾燥が気になっている部分は避けて使用しましょう。乾燥肌部分に使用してしまうと、かさつきを悪化させてしまう場合があります。
混合肌とは様々な肌質が集まった肌状態のことを言います。普通肌・脂性肌・乾燥肌・インナードライ肌が組み合わさった肌の状態が「混合肌」です。
「普通肌と脂性肌」の混合ならテカリや皮脂の対策をし、「普通肌と乾燥肌」の混合なら保湿対策を行うというように、普通肌との混合はスキンケア方法もシンプルです。
しかし「脂性肌と乾燥肌」や「インナードライ肌と乾燥肌」のように極端に異なる肌質を併せ持っていると混合肌さんはケアがむずかしくなります。油っぽさと乾燥のどちらかに偏ったスキンケア方法をしていることで肌トラブルを起こすこともあるので、どちらの肌質にも合わせたスキンケアが必要となります。
混合肌はスキンケアやメイクなど肌への直接の要因以外に、食生活やストレスなど生活習慣が原因となっていることもあるので、肌質を改善するためには生活習慣の見直しも大切です。
混合肌さんがスキンケアを行う場合、それぞれの肌質に合わせていくつもの基礎化粧品をそろえなくてはならないと考えている方がいますが、そんなことはありません。
肌質に合わせてケアのやり方を変えることで、それぞれに合わせたケアを行うことが可能です。
混合肌向けのスキンケア方法を続けていくことで、肌の水分量と油分量のバランスが正常になり、安定した肌状態へと整えていくことができます。
混合肌に合ったスキンケアを行ってバランスのよい肌を目指しましょう。