敏感肌は肌のバリア機能が低下することで、季節や環境などの変化によってかゆみや赤み、ニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなる状態です。
敏感肌は日常的にどのような対策を行えばいいのか、季節ごとに注意すべき点はあるのかを専門家が解説します。
さらに、敏感肌で悩む人に人気のスキンケアアイテムも紹介します。
敏感肌は、季節的な要因や体調、環境や化粧品などによって肌トラブルを起こしやすい状態です。
敏感肌と一言で言っても、一時的に肌が敏感な場合や、通年敏感な場合がありますが、いずれも肌のバリア機能の低下が原因で起こります。
肌のバリア機能とは、皮膚の一番外側にある角層が持つ機能で、水分の蒸発を防ぎ、化学物質や細菌など様々な刺激から肌を守る役割があります。
角層の水分を保持するアミノ酸など天然保湿因子(NMF)や、水分を引き寄せるセラミド(細胞間脂質)、水分を閉じ込める皮脂膜が減ることで、潤いが少なく刺激にも敏感な肌状態(バリア機能の低下)となるのです。
肌のバリア機能の低下は、間違ったスキンケアや乾燥、加齢、紫外線、ビタミン不足などが原因で起きるため、正しいスキンケアや生活習慣を見直すことで、肌のバリア機能の向上に繋がります。
お手入れの対策としては、敏感な肌を優しくサポートしてくれる化粧品選びをしましょう。
例えば、化粧品のパッケージに「低刺激」と書いているものや、肌のバリア機能向上に繋がるアミノ酸・セラミドなどの成分が入った化粧品を選ぶのがおすすめです。
アレルギーテスト済み※と表示のある化粧品を使うのもおすすめ。メーカーがアレルギーの誘発性や刺激性を見るテストを行ったもののみ記載できるため、購入の目安になります。
※全ての方にアレルギーが起こらないということではありません
洗顔をする前に、まずは手を洗い清潔な状態し、肌をぬるま湯ですすぎましょう。
洗顔料はしっかりと泡立て、きめ細かい泡で優しく洗顔することで、汚れをしっかりと落とすことができます。
すすぎ洗いをする際は、熱いお湯を使用すると肌の乾燥に繋がるため、人肌程度のゆるま湯でしっかりとすすぎましょう。
肌荒れがひどいなら控えた方が良いですが、洗顔料を変えてみるのも一つの手です。
敏感肌の肌荒れ原因の1つに洗顔料があります。普段使いしている洗顔料でも、バリア機能が低下している状態での洗顔は肌の乾燥を大きく加速させてしまうため、ピリピリしてしまいます。
洗顔で肌がピリつく場合は、洗顔料をアミノ酸系の洗浄剤のものに変えてみましょう。
アミノ酸系の洗浄剤は低刺激な反面、泡立ちが弱いのも特徴です。泡が立ちにくいからと、ごしごし肌をこすらず、優しく洗い流せば十分です。
肌荒れがひどい場合は、潤いの流出を避けるために、洗顔を数日控えてみるのもいいでしょう。
保湿を行う際は、洗顔後5分以内に行いましょう。
洗顔から保湿を行うまでの時間があくほど肌が乾燥し、バリア機能の低下に繋がります。
保湿は化粧水やローションでしっかりと水分を与えたあとに、乳液やクリームなどで油分で蓋をしましょう。
使用するアイテムは、アルコールや合成香料など肌に刺激を与える成分が含まれていないものが望ましいです。
紫外線によって肌に刺激が加わると、肌を守ろうとする防御反応からターンオーバーが乱れ、バリア機能の低下に繋がります。
そのため、敏感肌の対策として、日焼け止めや日傘などでの紫外線予防は必要不可欠です。
敏感肌の人が日焼け止めを使用する場合、紫外線吸収剤不使用またはノンケミカルと記載があるものを選びましょう。
紫外線吸収剤は、紫外線を吸収して熱や赤外線などのエネルギーに変化させるものですが、肌に刺激が強いため、敏感肌の場合赤みやかゆみなどの肌トラブルを起こす可能性があります。
一方で紫外線散乱剤を使用した日焼け止めは、紫外線を反射・散乱させて肌を守るタイプで、紫外線吸収剤を使用したタイプに比べると肌への負担が少ないため、敏感肌の人に向いています。
なお敏感肌の人は、ミルクタイプやローションタイプのように落としやすい日焼け止めのほうが、肌に負担を与えにくいためおすすめです。
皮膚のバリア機能が低下し敏感肌になると、かゆみや赤みの症状がでる場合があります。
かゆみや赤みの症状を悪化させないための、対策方法を紹介します。
皮膚のバリア機能が低下すると肌が過敏な状態になってしまい、肌が刺激を察知しかゆくなったり、ヒリヒリしたりします。
かゆみを感じたら冷たいタオルや保冷剤をタオルで包んだもので患部を冷やし、肌を鎮静させましょう。
かゆみを感じてさらに肌を掻いてしまうと余計に傷ついてしまうので、掻かないことが大切です。
ピリピリした感覚を鎮静させた後は、抗炎症成分(グリチルリチン酸ジカリウムなど)が配合された薬用化粧品を塗布しましょう。
かゆみなどを抑えて、肌の状態を整えてくれます。
肌に赤みがあるときは、皮膚のバリア機能が低下して炎症が起こっている状態です。
汗や花粉、マスクの擦れなどが原因で炎症が続くと、毛細血管が拡張してしまい、肌が赤くなってしまいます。
肌に赤みがでた場合の対策としては、摩擦が起きないようにソフトタッチでお手入れをしましょう。
アイテムの使いすぎや肌の擦りすぎをやめて、シンプルケアを心がけるのが大切です。
敏感肌の場合は、化粧品に含まれる刺激物との接触リスクや、肌との摩擦を最小限におさえる必要があります。
そのため洗顔後は、思い切って化粧水とクリームだけで保湿ケアを行うようにしましょう。
肌の状態を整えるため、保水力のある低刺激なアイテムを選ぶことが大切です。
超敏感肌は、常に肌がヒリヒリしている、皮膚がはがれるほど肌がカサカサしているといった肌状態を指します。
超敏感肌は敏感な状態が長期的に続いたことで、肌のターンオーバーが早くなり、バリア機能に必要なセラミドやNMF(天然保湿因子)が十分に作られず、常に肌がヒリヒリした状態になることが原因です。
超敏感肌の人の対策としては、セラミドやNMFを補えるスキンケア選びが大切です。
肌を触るだけでヒリヒリしてしまう場合があるので、1ステップでスキンケアができるオールインワンジェルで摩擦を控えた保湿ケアを行いましょう。
季節の変わり目は、気温や湿度の変化や外気の影響で、肌が敏感になりやすいです。
季節に合わせた敏感肌の原因と対策を紹介します。
春は、冬場の乾燥で肌の潤いが奪われている状態が続くため、肌のバリア機能が低下した状態です。
さらに季節性アレルゲンという、花粉やほこり、黄砂などが肌に付着すると、刺激となって肌トラブルを招く場合があります。
また、春先に紫外線量が増えることも、肌に刺激を加える要因の一つです。
外部刺激から肌を守るために、角層を保護できる低刺激の化粧水やクリームなど保湿力が高いアイテムでケアしましょう。
また、季節性アレルゲンや紫外線による肌への刺激を軽減するために、外出時はマスクや日焼け止めクリームで肌を守ることが大切です。
なお、花粉や紫外線によって肌にかゆみやピリつきが起きた場合は、肌を冷やしてから薬用化粧水で保湿ケアを行いましょう。
ピリピリした感覚を鎮静させた後は、抗炎症成分(グリチルリチン酸ジカリウムなど)が配合された薬用化粧品を塗布することで、かゆみなどを抑えて、肌の状態を整えてくれます。
夏は体温の調節作用により夏は汗をかきやすく、その汗が肌に残ると刺激となり肌荒れの原因になってしまいます。
また、冷房が効いている部屋に長時間いると、肌が乾燥してバリア機能が低下します。
さらに夏は日差しが強く、紫外線による刺激も肌トラブルを起こしやすくなる原因です。
夏はこまめに汗をふいたり、日焼けや乾燥の原因でもある紫外線から肌を守ることが大切です。
暑くてベタつくのが嫌だからといって乳液を付けずにいると水分が蒸発してしまいます。
さっぱりしたジェル状のものを選ぶなど工夫をして、水分と油分をしっかり補ったり、日傘や帽子を活用して紫外線が肌に届かないように心がけましょう。
秋は夏との寒暖差や日焼けのダメージが原因となり、肌の状態が整いにくい季節です。
空気が乾燥し始めるので、目の周りなど皮膚の薄い部位から乾燥しやすくなります。
秋は、目元パックで定期的に水分を補ったり、水分の蒸発を防ぐアイクリームを投入し、肌の潤いを逃さないようにしましょう。
また、夏に受けた紫外線ダメージと朝晩の寒暖差によってターンオーバーが乱れ、肌がごわつきやすい場合があるため、角質ケアのアイテムをプラスすることで、保湿成分の浸透促進に繋がります。
冬は一年で一番気温も湿度も低下する時期で、湿度の影響も重なり肌の乾燥が加速して敏感になっていきます。
冬の敏感肌の対策としては、湿度が低くなっても肌の潤いをキープしてくれるセラミドやスフィンゴ脂質のような保湿成分配合のスキンケア選びが大切です。
また気温が下がることで血流も低下し、肌に栄養が届きにくくなります。血液の循環を後押しするためにも、マッサージクリームや乳液などを使ってフェイスマッサージを行いましょう。
フェイスマッサージは基本的には両手を使い、摩擦が起きないように顔の内側から外側へ、下から上へと動かします。
強い力で刺激を与えるのは逆効果、シワやたるみ、シミの原因になることがあるので十分注意し、優しくゆっくりお手入れしましょう。
季節の変わり目は寒暖差や環境の変化など、敏感肌になる原因が複数重なっています。
普段は問題ないけれど、季節の変わり目や生理前などに一時的に敏感になる肌状態は、最近ではゆらぎ肌とも呼ばれています。
ゆらぎ肌は、常に敏感肌の人とは異なり、季節的な要因が強かったり、肌が敏感になる期間が一時的であったりします。
一年中敏感肌ではなくても、年に数回肌が敏感になる方は、ゆらぎ肌の特徴も押さえておくと良いでしょう。
そこでRe:cosmeでは、敏感肌の人が実際に使用しているスキンケア用品も調査し、人気ブランドをピックアップしました。
敏感肌の人が使用しているスキンケア用品の調査によってわかったのは、1人が複数ブランドのスキンケアを使用していることです。今回の回答では、1人あたり平均2ブランドを挙げていました。
敏感肌の人は季節や肌状態によってブランドを使い分けている傾向がみられました。
敏感肌の人に人気のブランドの中でも、ディセンシアは肌悩みに合わせてシリーズを選べるのが特徴で、Re:cosme所属のスペシャリストにも愛用者がいるスキンケアラインです。
※年齢に応じたケア
種類 | 内容量 | 価格 |
---|---|---|
トライアルセット | 約10日間 | 1,980円(税込) |
ディセンシアは、肌表面にバリア膜を形成して水分の蒸散を防ぎ、ほこりや乾燥などの刺激から肌を守ります。
さらに、通常の20分の1サイズのヒト型セラミドを配合しており、角層の隅々まで保湿を促すのです。
そのため、ディセンシアは肌の外側と内側のバリア機能を発揮することで、敏感肌でバリア機能が低下した人の肌をサポートします。
エイジングケア※向けとしても作られているので、敏感肌だけど年齢に合わせたスキンケアがしたいという人にもおすすめできます。
とろみのある化粧水は肌に伸ばしやすく、摩擦が起きにくいため、シンプルケアが必要な敏感肌にもぴったりのスキンケアです。
なお、ディセンシアはアレルギーテストや皮膚科医立ち会いによるモニターテストを実施、さらにアルコール・香料・紫外線吸収剤は不使用という敏感肌に特化したアイテムです。
※年齢に応じたお手入れ
敏感肌の対策をしているつもりでも、実は間違った対策法を行ってしまい、逆効果になってしまうケースがあります。
肌荒れを何度も繰り返さないためには、敏感肌に対する正しい知識が必要です。敏感肌の対策でよくある間違いに回答していきます。
防腐剤のひとつでもあるパラベン。パラベンフリーの化粧品は肌に優しいという印象を持っている人も多いはず。
防腐剤の中でもパラベンは敏感肌の方には刺激となる場合があり、メーカーが添加しない場合があります。
しかし化粧品は未開封の場合、3年以上は品質に変化があってはならないため、防腐剤は不可欠。
そのため敏感肌向け化粧品は、パラベンの代わりとなるフェノキシエタノールやペンチレングリコールを、防腐剤代わりとして配合しているものがほとんどです。
確実にパラベンが合わないとわかっている方でない限り、パラベンフリーにこだわる必要はありません。敏感肌はパラベン以外の防腐剤が肌に合わないときもあります。
化粧品は開封すれば酸化がスタートし、雑菌などが混入してしまう恐れがあるので防腐剤は必要です。
パラベンフリー=防腐剤フリーではないですが、過剰に避けず、肌の様子を見ながらスキンケアを探していきましょう。
天然成分でつくられている化粧品は、低刺激なイメージですが、敏感肌の場合は要注意です。
天然成分だから肌に優しいというわけではなく、逆に植物由来の成分が肌に合わない可能性も十分あります。
肌荒れが心配な場合は使用を避け、敏感肌を卒業してからオーガニックのスキンケアを楽しみましょう。
アンケートでは、敏感肌の深刻な悩みが浮き彫りとなりました。また悩んでいてもどう対策を行っていいのか迷っている人も多い結果に。
敏感肌は適切なケアをすれば肌を整えられます。極力肌に刺激を与えず、低刺激なスキンケアを行うことが大切です。
敏感肌向けのスキンケアを使った経験がない人は、スペシャリストがおすすめしたディセンシアからスタートしてみても良いかもしれません。
今回紹介した悩みや季節ごとの対策法を参考に、自分に合った適切な対策を行いましょう。